暗号資産って何? ~いまさら聞けないシリーズ~

金融のいろは

こんにちは、rt523mです^^

 

最近、ステーブルコインという言葉がよくニュースに出てきます。

暗号資産とか仮想通貨とか、ビットコインなんかは、もはや市民権を得たかのように普通に使われていますね。

そもそもどんな仕組みになっているのか。とか、
ブロックチェーンってこういうものだよ。とか、
その本質的な価値は何のか。とか、
中央銀行が発行しようとしているCDBCやステーブルコインとかってヤツと何が違うのか。とか、
NFTと一緒に使われるけどなんで?とか、

っていう素朴な疑問を掘り下げてみようと思います。

 

この類の情報はインターネットにたくさん出回っています。正確な情報もあれば、間違っているもの、怪しいものもあれば、あやふやなものまで。

ちゃんとした情報から怪しげなサイトまでいろいろあるのよね。

皆さんは当然、正しい情報にアクセスできると思いますが、くれぐれもご注意ください。

ある面、この暗号資産の世界はまだまだ新しく、モノによっては諸説あったりしますので、軽く構えることも大切です。

いろいろなソースにアクセスして、軽い気持ちで、ササーッと流し読みしましょう。

 

暗号資産の基本と用語

暗号資産?暗号通貨?仮想通貨?クリプトカレンシー?

はい、早速似たような言葉が出てきてなんのことやらってなりますよね。

一番、ザックリとした説明で言えば、「どれも同じです!!」

おいおい、、、。

ここでつまづくと先に進まないので、どれも同じ、と思ってください。

暗号資産?暗号通貨?仮想通貨?クリプトカレンシー?

まぁ、どれも同じですね。

 

好きな呼び方をお選びください。

 

それより重要なのはその仕組みです。

”暗号”、とか”仮想”とかってなんか怪しい呼び方をしていますが、これらに使われているその仕組み自体はとても堅確で正確です。話を進めるうえで、ところどころ普通の通貨(つまり日本円とかのお金)と比較しながらいきたいと思います。

 

まずあなたが知り合いから暗号資産を1単位もらったとします。そのことを証明できるでしょうか。

では、もし日本円1万円をもらったとしたら、それをもらったことを証明できますか?銀行振込とかだったら通帳に残るので証明できるかもしれませんが、個室でそっと現金を渡されただけだと難しいですよね。

でもこの暗号資産の技術を使えば、いつでも誰でも、自分が保有している暗号資産の残高(価値)を証明できます

そこで登場するのが”ブロックチェーン”と呼ばれる技術です。

正確には電子的な分散台帳なんて呼ばれたりしますが、イミフなので、ちょいと解説。

あげたり、もらったりという毎回の取引を電子化されたデータベースという形の台帳として記録されていきます。つまり、知り合いからあなたがもらったその暗号資産は電子的にデータベースに記録されます。

またさらに、あなたが誰かにそれをあげたり、売ったりしたらそれも記録されます。

一度、記録された取引データはその後続の取引データを変更しないと、遡って変更することができません

<例>

「知り合いAさん → あなた → 知り合いBさん」という取引情報がブロックチェーンで記録されたとします。ここで「知り合いAさん → あなた」を1つ目の取引、「あなた → 知り合いBさん」を2つ目の取引とします。

もし誰かが1つ目の取引の”知り合いAさん”を別の人に改ざんしたい、あるいは取引内容(金額とか売りと買いとか)を変更しようとした場合、まず2つ目の取引を変更するか、あるいは、なかったことにして1つ目の取引の内容を変更し、それから2つ目の取引をデータとして記録する必要があります。

デジタル上のデータだから、取引履歴を変更しちゃえば、私の残高を増やせるかも。

 

これが10個目、100個目、1万個目の取引だったら、、、、。なかなか大変。

しかも!

これは1つのデータベースやパソコンで管理されているのではなく、分散型と言われる別々のデータベースで管理されていくため、過去の取引データを変更するのは極めて難しく、改ざん等をするのは非現実的と言われています。

そのためブロックチェーン技術を使った暗号資産は金融当局や中央サーバーで管理されることのない、”分散型”や”非中央集権型”と呼ばれています。

『強靭なセキュリティメカニズムとハッキングされないデータベース』ってことなんだね。

 

この技術が応用されて、コンピュータ上で取引処理を可能にしたデジタル上の契約関係、いわゆるスマート・コントラクトが使われるようになり、取引所や銀行などが介在しない金融取引やプラットフォームを行うDe-Fi(ディファイなどと言います)と呼ばれるdecentralized finance、いわゆる分散型金融が発達していきました。

この”分散型金融” についてはまた記事にしたいと思います。

ちなみに、デジタルアートなどの著作権を守るために発行されるNFT(Non-Fungible Token。非代替性トークン)の取引にはイーサリアムが良く使われたりします。

 

どの暗号資産が良い?

暗号資産にはどんなものがあるのでしょうか。

一番、有名なのはビットコインでしょう。

あとはイーサリアムとかリップルとか。柴犬コインなんてものもあります。

実は世の中にある暗号資産の種類は1万とも2万とも言われています。

ブロックチェーンを使った仕組みを理解していれば誰でも新しい暗号資産を開発できちゃいます。

一番有名なビットコインに対してその他の有名な暗号資産をアルトコインと呼びますが、その中でも時価総額が少なくマイナーなものは”草コイン”と呼ばれています。

ビットコインといえば、”サトシ・ナカモト”氏ね。

草コインの中から、ダイヤモンドの原石を見つけてやる!

 

開発された起源は様々で特定の国際イベントの決済用に開発されたり、各国間の金利や経済に左右されない統一通貨とすることを思想とされたものや、単純にアメリカドルに連動するように作られたもの。あるいは、中には素人を騙そうとして作られたものもたくさんあるはずです。

世の中に様々なポイント経済圏があり、”なんちゃらポイント”や、それを使って決済ができる”なんちゃらペイ”があるように、いつの時代もどの業界も同じですね。

 

ところで、皆さんはCBDCという言葉を聞いたことありますか?

Central Bank Digital Currencyの略称で、英語をそのまま訳すと『中央銀行デジタル通貨』、ですね。

そうです、各国の中央銀行がその国の通貨(日本円とかアメリカドルとかスイスフランとか)と同じように発行するデジタル通貨のことを指します。2023年現在ではそんなに多くの国が発行しているわけではなく、まだ中央銀行が集まってどのような仕組みで発行するのが良いか研究段階といったところでしょうか。

デジタル人民元っというのは聞いたことあるぞ。

 

またステーブルコインという言葉も聞いたことありませんか?

最近では、日経新聞に次のような記事が出ていましたね。

ステーブルコイン、日本でも発行可能に 何が変わる? – 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

例えば、アメリカドルを担保に暗号資産を発行したようなものが一番わかりやすいですね。アメリカドルの値段が上がればそのステーブルコインの値段も上がる。下がれば、連動して価値が下がります。簡単に言えば、ドルペッグ通貨ですね。

また中には特定の暗号資産に連動させる暗号資産担保型金や原油などに連動させたコモディティ型、さらにはアルゴリズムによってコインの流通量を調整する無担保型などがあります。

 

さらに詳しい人だったら”Libra(リブラ)”という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。

これはMetaがまだFacebookだった頃に立ち上げようとした独自の暗号資産プロジェクトです。その後、アメリカドルと連動するようなDiemというステーブルコインにしようとしましたが、それも失敗。結局、アメリカ当局の反対に合い、このプロジェクトは実現しませんでした。

これは当時、Facebookが20億人とも言われるユーザーを持ち、そこで独自の暗号資産を使ったプラットフォームを構築することに主要各国が強い懸念を持ったのです。

20億人ものユーザーが自由自在に決済代わりに使えるステーブルコインを発行したら、世界最大の経済圏が作れそう。

20億人といえば、中国よりもインドの人口よりも多いですよね。

太古の昔から国々は自国通貨で人々の経済力をコントロールしてきましたから、それが脅かされる事態となったわけです。またもし、アメリカドルと連動するとしたとしても、発行される数量によっては世界の基軸通貨とされるアメリカドルさえもその価値が脅かされかねないのです。アメリカのFRBが新しいドル紙幣を発行しなくても、Libraが発行されると世の中に出回るアメリカドルは増え、経済学で学んだ需要と供給に影響を与えかねないですからね。

デジタル技術の発展は人類にとって素晴らしいことだけど、

時に暗号資産は国家・政府にとって、大きな脅威にもなります。

 

本質的な価値と危険性

怪しさ満載、不安なことばかり書いてきましたが、じゃあなんでみんな、ビットコインだ、イーサリアムだと騒いでいるのか。単に新しいモノ好きってこと?

暗号資産ってヤツにはどんな価値があるってんだい?

新しいモノ好きってことかね?

 

そういうわけでもありません。ブロックチェーンについて説明したように、このデジタル資産と言われる暗号資産には実質的に書き換え不能な分散型台帳技術によって様々な経済活動を記録してくれています。また海外送金する際の手数料や外国為替レートなども掛からないため、効率的な経済活動が可能です。

では、その1単位あたりの暗号資産に価値があるのか?というと、それはあなたが信じるかどうかですね。別に、都市伝説みたいなことを言っているのではありません。

あなたが、なぜ日本円の1万円に価値があると思うのかなぜアメリカの100ドルに価値があると思うのか、と同じです。

そういえば、なんで1万円札に価値があるんだろう?

昔は金兌換性や金本位制と言って、その国の通貨を持ってきた人はいつでも一定の重量の金と交換します、と政府が約束していたものです。

だから人々は安心して丸い硬貨人の顔が印刷された紙幣を価値あるものと認めてモノを買ったり、働いた対価としてもらったりしていたのです。

今はそれがありませんが、そのお金を発行した国が信用できるから、福沢諭吉の顔が印刷された紙切れを使っているのです。ちゃんとしたお金のことを法定通貨と呼びます。

まぁ、ビットコインなんかもそれと同じようなものです。信頼できる技術で分散的に管理されていて、使っている人々がそれに価値があると思って交換しているのです。でも、草コインは別ですよ!

暗号資産にはブロックチェーン技術によって裏付けされた強靭なセキュリティメカニズムとハッキングされないデータベース』という素晴らしい特徴があるのです。

 

ちなみに、ビットコインとかで画像検索すると金色のコインの真ん中にBと刻まれているコインを見ますが、デジタルの世界のトークンですので、実物硬貨という意味でのコインは存在しません。

あぁ、よく見るこんなやつね。

その昔、目の前にコインを見せられた人が実際にお金を払っちゃったとか、、。んなバカな。。。

 

さらに、ハッキングで980億円も盗まれたという記事もありました。

っというか、ヤラれ過ぎやろー。。。

北朝鮮、日本の仮想通貨に的 980億円ハッキング – 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

将来性はあるのか

 

それでは皆さんは暗号資産に将来性はあると思いますか?

暗号資産って将来性あるのかしら。

どんな意見でもいいと思います。

例えば、将来値段が上がるだろうという将来性より経済活動がしやすくなり人々の暮らしが豊かになるという将来性まだ見ぬ新たな技術が応用されるかもしれないという将来性など。

2023年現在、世界には約180もの通貨があると言われています。一方、暗号資産は1万とも2万とも言われています。そんなにはいらないですよね。

でも、メタバースやWeb3.0の世界では実物通貨は何とも扱いにくいので、少なからず暗号資産は必要だと考えます。

もっとも、今のビットコインやイーサリアムが永遠なのか、まったく新しい技術で作られるデジタル通貨が登場するのかはわかりません。

それは日本円やアメリカドルだって永遠ではないのと同じですね。

 

ちなみに、日本でも金融庁や日本銀行のホームページで暗号資産について紹介されていますので、参考にしてみてください。

暗号資産の利用者のみなさまへ:金融庁 (fsa.go.jp)

暗号資産(仮想通貨)とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました